苺のビネガー風味
1946年、レストランへ入り苺を見つける度にそれを注文し、なにもかけずそのまま食べていた。そしてある日、半分冗談でウエイターに言ってみた「酢を少し持ってきてくれ」。
私が「酢」と言った瞬間から、ウエイターも店主も私を変なやつだと思い込み、行動をじっと見守り始めた。
私はスプーン1杯の酢を苺に振りかけ、砂糖を加えてよく混ぜ、うまそうに食べた。
ウエイター達は目を丸くし、口をつぼめて見ていたが、しばらくすると好奇心を抑えきれなくなり、結局全員が私の苺を味見した。誰が食べてもそれはうまかった。苺が酢独特の味を分解し、軽い酸味だけが残っている。そして酢は苺の中から1番心地好い味を引き出し、際立たせる。こうして食べると苺がとても苺らしくなる。
しばらくすると、私の発明した酢苺があちこちのレストランで『オリジナルデザート』として出されるようになった。そして、それらのレストランは私が巡業でイタリア中を周った時に立ち寄り、酢苺を注文したところに相違ない。私はあきれている。今では人気のデザートとなったこの1品が、どうして『苺のウーゴ風』と呼ばれないのか!?
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