米 500グラム
おいしい野菜のブイヨン
バター 150グラム
玉葱 1個
セロリ 1本
人参 1本
パセリ 1本
真っ赤なトマト 2個
白ワイン 適量
ズッキーニ 2本
中位のナス 1本
バジリコ 1枝
パルメザンチーズ
ブーーー(開演を告げるブザー)
緞帳がするすると上がっていく。
舞台には大鍋の中で踊る100グラムのバターが見える。薄切りとなった玉葱、人参、セロリ、パセリも加わり、リズムカルなダンスを繰り広げる。そこに小さく切られたズッキーニとナスがバジリコを連れて登場し、鍋に飛び込み、舞踏会のシーンは俄然にぎやかになった。
ひとしきり拍手が続く。
ちょい役だが登場回数の多い白ワインのボトルが、時々さっと現れ、野菜を濡らしては消えていく。
さあ、小さく刻んだトマトの番だ。さすがに準主役だけあって、赤い衣装がひときわ目を引く。堂々と鍋に入場する。
鍋中舞踏会はしばらく続き、出演者に疲れが見え初める。
ここで突然ファンファーレが鳴り響く。主役中の主役、米の登場だ。
米が加わった後は、全体を混ぜ返しながら炒める激しい演技が始まる。ここからが劇の絶頂。
数回にわたり、レードル1杯のブイヨンが流れ込んでは消えていく。この間も激しい混ぜ返しは続いている。15〜18分間に渡り木のスプーンは激しく動き続ける。
突然の静寂。
米がアルデンテに煮えた瞬間、火が消され、最後のシーンに移る。
横たわるリゾットの上に50グラムのバターがそっと乗り、いつの間にか降り出したパルメザンチーズの雪が積もっていく。
幕が下りる。
拍手、アンコールの嵐。
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