幻の蟹料理 |
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| 冬のヴェネツィアでしか味わえない珍味! | |
杭に縛り付け、水中に沈めた網を一つずつ引き上げて収穫する。蟹と小魚が入り交じっている。ヴェネツィアの潟にて。 |
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冬のヴェネツィア名物カニ料理を2つ紹介しよう。まず、「モレッケ」と呼ばれる、沢蟹に似た小さなカニの空揚げ。殻を脱いだばかりの柔らかいカニに小麦粉をまぶしてカラッと揚げ、塩を振る。香ばしい上に、身やみその味がそのまま閉じ込められておりジューシーで味わい深い。晩秋から初春までベネツィア中の居酒屋では、カウンターに盛られたモレッケの香りが漂う。地元の人達は白ワインのグラス片手に立ったままおしゃべりし、話しの合間にモレッケを丸ごと口に放り込む。 ヴェネツィアの漁師は潟に仕掛けた網でカニを捕る。そして腹に現われる印し(素人には判読不可能)を頼りに殻を脱ぐカニと脱がないカニを選別する。一匹ずつより分けるのだから大変な苦労だ。後記の「マザネッテ」もこの時に選別される。選ばれた「脱ぐカニ」は幅、高さとも1mくらいの木箱に入れて水中に半ば沈めておく。冬のヴェネツィアで島巡りをすると、あちこちで浮き沈みするこの木箱を見ることができる。冬の寒い朝、まだ暗いうちに漁師は箱を開け、夜の内に殻を脱いだカニだけを集めて市場に出荷する。この作業は毎日行う必要がある。脱殻したカニは半日水中にいるだけで新しい殻が堅くなってしまうからだ。空気中では3日間程柔らかさを保つ。 ポピュラーなモレッケに比べて、幻の珍味とも言えるのがマザネッテだ。卵を抱いた新鮮なカニだけをさっと茹で、脚と甲羅を除き、オリーブオイル、レモン、パセリで和える。実際食べるのは鮮やかに赤い卵だけだ。この味は他のなにものにも例えようがない。凝縮されたピュアーな旨味とでも言うのだろうか。世界3大珍味に優とも劣らぬ美味さだ。しかし、10月末から12月始めまでと捕獲期間は短く、市場に出回る量も少ない。そのため観光客相手のレストランでは見られない料理だ。地元の人々が集まるトッラトリアが狙い目だろう。
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