話題の食前酒、食後酒

ヴェネツィアに行ったらぜひ飲んでみよう!
 今ミラノで話題の酒を2つ紹介しよう。1つはスプリッツというカンパリベースのカクテルで食前酒として飲む。もう1つがリモンチェッロで凍るほど冷やして飲むと旨いレモンのリキュールだ。これは食後酒として飲むことが多い。両方とも以前はイタリアの中でも特定地域でしか見られなかった。
 ヴェネツィアっ子秘蔵のスプリッツはカンパリ、白ワイン、炭酸水を細長い大きめのグラスで混ぜ、レモンスライスとオリーブを沈めたもの。ヴェネツィアは「チッキ」と呼ばれる一口大の様々なつまみをカウンターに並べた一杯飲み屋が未だに残る楽しい街だ。夕方になると仕事帰りの人々がカウンターに群がりスプリッツを傾けながらふざけ合っている。そんな情景をしばらく眺めているとスプリッツの正しい飲み方が分かるはず。まず、指でオリーブをつまみ出し、少しずつ噛りながら、ちびりちびりと液体を飲み干す。そして最後に必ず赤く染まったレモンをやっつける。数年前まではミラノのバールでスプリッツを注文しても作り方が分からない場合が多かった。それが今はこれを飲む若いミラネーゼ(ミラノっ子)をよく見かける。しかし、ミラノのバールはスプリッツを飲むには洗練され過ぎている。カウンターに並んでいるのもミニオードブルで正しい飲み方も実践されていないようだ。やはり本物にこだわる人はヴェネツィアまで行って試してみるべきだろう。
 リモンチェッロはレモンの大産地シチリアやソレントの家庭で作られていたもの。これらの地方では格家庭に独自の仕込み方があり、10軒で御馳走になると全て味が違うのが当然だった。決して買ってきて飲むものではなかった。ところがここ数年の内に、しゃれた瓶に入った出来合いリモンチェッロを各メーカーが次から次へと発売し、今では何種類あるのか想像もつかず、ミラノのレストランでこれを置かない店はないくらいだ。しかもミラネーゼはそれを「レモンチーノ」と呼ぶ。これは地方文化の冒涜ではないだろうか?。


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